兵庫県で発見、オオトカゲ類の一種最古の化石
丹波市で1億1000万年前の地層から発見、国内では初
兵庫県立人と自然の博物館は25日、大型草食恐竜「丹波竜」の化石が見つかった篠山層群(同県丹波市)で、オオトカゲ類の一種「モンスターサウリア類」では世界最古となる新種の化石が見つかったと発表した。世界で十数例しか報告がなく、国内では初という。
2019年の同市上滝地区の発掘調査で、丹波竜が出土した約1億1000万年前(前期白亜紀)の地層近くから、下顎の骨の一部がほぼ完全な状態で見つかった。これまでの最古は北米の約1億年前のもので、約1000万年さかのぼる。
歯の形状が「もろ刃の剣」に似ていることから、「モロハサウルス・カミタキエンシス」と命名。北中米で生息するドクトカゲの仲間に当たり、骨の大きさから全長は30~40センチメートルと推定された。
命名者で同博物館の池田忠広主任研究員によると、同類のトカゲは北米で生まれてアジアに渡ったとの見方が主流だった。今回の発見で「東ユーラシア地域を起源とする可能性が示唆され、恐竜を含む動物の移動と進化の過程を解明する重要な指標になる」と話している。