ロッテの奥川恭伸、堂々と大役を果たす
1年前の悔しさ糧に、巨人に9奪三振、無四球完封勝利
20歳の右腕が堂々の投球で、見事に大役を果たした。CSファイナルステージの「開幕投手」に指名されたヤクルトの奥川が、9三振を奪って無四球完封。シーズンで最長7回までしか投げていない高卒2年目が、大事な一戦で最後までマウンドを守った。
140キロ台後半の直球は伸びがあり、フォーク、スライダーの制球も良かった。五回1死一、三塁のピンチで代打亀井を左飛、代打八百板をフルカウントから見逃し三振に仕留めると、マウンドでほえた。「いつも大事だけど、きょうは特に重要な試合だったので、気持ちがいつもより入っていた」と振り返った。
その後も得点を許さず、九回もマウンドへ。2死二塁からウィーラーを中飛に打ち取ると、両手を突き上げて、満面の笑みを浮かべた。入場者の上限が緩和され、1万7792人が入ったスタンドから大きな拍手を受けた。
昨年11月10日。最下位に沈んだチームの最終戦だった広島戦でプロ初登板したが、三回途中5失点で黒星を喫した。あれからちょうど1年。「すごく意識していた。悔しい思いをしたので、何とか抑えたい気持ちだった」。嫌な記憶を消し去るだけではなく、チームに大きな弾みをつける98球だった。
ヤクルト・高津監督 勝っても負けても彼(奥川)のゲームだと思っていた。素晴らしい投球だった。いい形で1勝できたところは、あした続けていかないといけない。
巨人・原監督 結果的に最初の3点というのが大きかった。(打線も)0点。なかなかつながらなかった。分かりやすい反省点が多いから、あすまた切り替えていく。