確率論の佐々田東大准教授に 輝く女性研究者賞
「小さい世界」と「大きい世界」をつなぐ新しい理論を構築
科学技術振興機構は3日、第3回「輝く女性研究者賞」を確率論の佐々田槙子東京大大学院数理科学研究科准教授(36)に授与した。佐々田さんは確率論に幾何学や代数学を組み合わせ、原子や分子の「小さい世界」と温度や密度の「大きい世界」をつなぐ新しい理論を構築する一方、女子中高生向けのウェブサイト「数理女子」を運営している。副賞として、デザイナーの故芦田淳氏の基金から100万円が贈られた。
表彰式は日本科学未来館(東京都江東区)で開かれ、佐々田さんは「欧州で多くの女性数学者に出会い、性別は関係ないと思った。数学の面白さを宣伝したい」と話した。
また、同機構理事長賞が飯間麻美京都大医学部付属病院助教と神谷真子東大大学院医学系研究科准教授に、活躍推進賞が名古屋大に授与された。飯間さんは造影剤を使わない「拡散強調磁気共鳴画像装置」によるがんの画像診断法の開発、神谷さんはがん細胞や細胞内の分子を蛍光で見えるようにする技術の開発が評価された。