静岡県熱海市、土石流地区の小学校が再開


通学路の安全確保、4カ月ぶりに元の校舎で授業再開

静岡県熱海市、土石流地区の小学校が再開

約4カ月ぶりに元の校舎で授業を再開した静岡県熱海市の市立伊豆山小学校=1日午前、同市

 静岡県熱海市で7月に発生した土石流災害の影響で、校舎の使用を見合わせていた市立伊豆山小学校が1日、約4カ月ぶりに元の校舎で授業を再開した。登校した児童からは「おはようございます」と元気な声が上がった。

 国原尋美校長は児童51人を前に、「ここに帰って来てほっとしている。みんなは地域の宝物で、伊豆山の希望だ」と話した。6年生の女子児童(11)は久しぶりの校舎に「すごくうれしい」と笑顔を見せ、「伊豆山小で卒業式などの行事ができると思うので楽しみ」と話した。

 同小は土石流による被害は受けなかったが、通学路で土砂の搬出作業が続いたことなどから登下校時の安全が確保できないと判断。公共施設や別の小学校を使って授業をする一方、スクールカウンセラーを増やすなどしてケアに当たってきた。

 市教育委員会によると、10月に入り保護者から「(元の校舎に)戻りたい」といった声が上がったという。学校周辺の復旧作業が落ち着き、市道の通行規制が解除されたことなどから、同小での授業再開を決めた。

 市は、被災に伴い、住居や通学手段が変わるなどした児童のため、スクールバスと大型タクシーを手配して登校を支援している。