2021衆院選、岸田首相「勝利宣言」も笑顔なく


「与党で過半数確保」維持も議席減、大物苦戦に重い空気

2021衆院選、岸田首相「勝利宣言」も笑顔なく

衆院選の開票速報会場で、当選確実の候補者名に花を付ける岸田文雄首相(中央左)=31日夜、東京都千代田区

 「与党で過半数確保」を維持しつつも、議席を減らす見通しとなった自民党。岸田文雄首相は東京・永田町の党本部で、「政権選択選挙において大変貴重な信任をいただいた」と述べたが、笑顔はほとんど見せなかった。長く続いた「自民1強」が揺らぐ事態に、開票センターは重苦しい空気に包まれた。

 テレビ各社のインタビューに応じた甘利明幹事長は「コロナ禍で国民に鬱積(うっせき)していた不安や不満を、政府与党が受け止め切れていなかったのではないか」と神妙な面持ち。自身も小選挙区で苦戦し、「非常に厳しく受け止めている。結果がはっきりした時点で、進退は総裁にお預けする」と述べた。

 岸田首相は当選確実となった候補者氏名の横に赤いバラを付けて回ったが、カメラを向けられても表情は硬いまま。石原伸晃元幹事長や平井卓也前デジタル相らの小選挙区での敗北が次々と伝えられる中、インタビューで議席減について問われると、「しっかりと受け止め、今後の参考にしなければならない」と淡々と答えた。