東京地裁、裁判官が福島第1原発を初視察


東電株主代表訴訟で、津波による浸水箇所「迫力が違う」

東京地裁、裁判官が福島第1原発を初視察

現地視察のため、東京電力福島第1原発近くのJR大野駅に到着した東京地裁の朝倉佳秀裁判長(左から2人目)ら=29日午前、福島県大熊町

 東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)事故で、勝俣恒久元会長(81)ら旧経営陣5人が津波対策を怠ったとして、東電へ22兆円を支払うよう求めた株主代表訴訟の現地進行協議が29日行われ、東京地裁の朝倉佳秀裁判長ら判事2人が原発敷地内を視察した。原告代理人弁護士によると、同原発事故をめぐる訴訟で、裁判官が敷地内を訪れるのは初めて。

 視察は非公開で行われた。代理人弁護士によると、朝倉裁判長らは午前11時半ごろから午後5時ごろまで視察。津波に襲われた敷地内の低地や、浸水した建屋の出入り口などを見て回った。同裁判長は「現場で見ると迫力が違いますね」などと話し、津波による浸水箇所に関心を示したという。争点の一つである事前の浸水対策が可能かどうか、直接確認する目的があったとみられる。

 訴訟では、政府機関が福島沖を含む日本海溝沿いでマグニチュード8クラスの大地震が起きる可能性を指摘した「長期評価」に基づき、原告側は事故原因となった津波の発生を予測できたと主張。浸水対策も可能だったと追及していた。

 一方、勝俣元会長や武藤栄(71)、武黒一郎(75)両元副社長らは、津波の発生を予見することはできなかったと反論。長期評価は根拠不明などと訴えていた。

 訴訟は2012年に起こされた。今年11月末に結審する見通し。