10代、20代の投票意欲、コロナを機に高まるか


低迷する18歳選挙権、若者団体「手応え感じている」

10代、20代の投票意欲、コロナを機に高まるか

若者の政治参加を促す団体「NOYOUTH NOJAPAN」のインスタグラムの投稿

10代、20代の投票意欲、コロナを機に高まるか

10代、20代の投票率推移

 2016年に選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられてから、今回の衆院選は4回目の大型国政選挙となる。10代、20代の投票率は低下傾向にあるが、新型コロナウイルス禍を機に「若者の意識が変わった」との見方が出ている。

 10代投票率は、16年参院選の46・78%から19年参院選は32・28%に急落。20代も35・60%から30・96%へと低下した。

 「生活に支障ないから、興味が湧かない」。東京都内の女子大学生は言う。一方、別の大学3年の女子学生はコロナ禍を経て「学びへの支援に税金を使って」と語る。

 若者の政治参加を促す団体「NO YOUTH NO JAPAN」。代表を務める慶応大大学院生の能條桃子さん(23)は、仲間と共にインスタグラムを中心に政治や政策について発信する。団体立ち上げのきっかけは、若者の投票率が80%を超えるデンマークでの留学体験だ。「討論会で政治について語ることを楽しんでいた」と振り返り、同時に「日本の若者はこだわりがないのかな」と感じた。

 14日の衆院解散後、「どうやって投票するの?」などと選挙に関するさまざまなテーマで解説を投稿すると、フォロワー数は解散前の6万8000人から7万7000人に増えた。能條さんは「選挙をちゃんと考えたいという人は増えている」と、手応えを感じている。

 若者の政治参加意識の高まりを示す調査結果も出ている。日本財団が9月に行った17~19歳の1000人を対象にした調査。新型コロナ流行前と比べ、「政治や選挙が自分自身の生活にも影響すると感じる」機会について尋ねたところ、「減った」「少し減った」が計1割超だったのに対し、「増えた」は10%、「少し増えた」は24%だった。

 「SHIBUYA109ラボ」が7月、18~24歳を対象に投票意欲を尋ねた調査では、400人のうち46%が「必ず投票すると思う」と回答。「投票したいがまだ分からない」と合わせれば約8割に上った。いずれの担当者も「(コロナ禍で)若者の政治への関心は高まっている」と口をそろえる。

 能條さんは「SNSは若者の間で共有され、会話のきっかけにもなる。みんなが行くから自分も行くという雰囲気をつくりたい」と話した。