オリックス、最終戦を白星で締め天命を待つ


エース山本由伸「熱く戦った」、完封で球団新15連勝

オリックス、最終戦を白星で締め天命を待つ

好投するオリックス先発の山本=25日、楽天生命パーク

 七回2死一、三塁。オリックスの紅林が貴重な追加点を挙げる右前打を放った瞬間、山本が珍しく感情をむき出しにしてほえた。「熱く戦った。それほど大事な試合だったので」。エースの口ぶりも熱かった。

 シーズン最終戦。負ければ25年ぶりの優勝が険しくなるのは十分理解していた。投げ合う相手は田中将。「ロースコアでいくだろうなと思った」。重圧を一身に背負っても、存在は圧倒的だった。

 序盤から球速155キロを連発。変化球の精度がいつもより落ちても、磨いてきた真っすぐで押せた。「試合前のブルペンから良かった。きょうは真っすぐのおかげ」。技が光る試合も多いが、大一番は「力」で完封してみせた。

 球団新記録の15連勝で18勝目。相手が球数を投げさせようとしても動じなかった。「それも作戦。僕がボール球を投げなければ、ある程度、最低限の球数でいける」。今季6完投を果たした要因でもある。

 2年連続最下位のチームが奇跡のように変貌したのは、山本の存在があってこそ。「相手(ロッテ)の結果待ち。最後は信じて、待とうと思う」。やることは全てやった。あとは天命を待つ。