映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」
時代を紡ぐラブスートリー、大ベストセラー小説を映画化
1995年、ボクこと佐藤誠(森山未來)は彼女・加藤かおり(伊藤沙莉)と出会い、初めて頑張ろうという思いになった。普通が嫌いな彼女に認められたくて、映像業界の末端に飛び込み、がむしゃらに働く。彼女との関係も続くかと思われた。だが4年後、唯一の支えだった彼女が何も言わず、去っていった。心の中にもやもやとしたものを抱えながら、2020年46歳となっていた。彼女が去ってからの日々は、映像業界の片隅で働き続けていた。
途中、小説家を志したものの物にならず時間だけがずるずると過ぎていく。そんな中、思いがけなくもほろ苦い再会をきっけに二度と戻らない時間を思い出す。
主人公のボクこと佐藤を演じるのは映画作品やドラマ、ダンサーとしても活躍する森山未來。その独特な感性は世界でも注目を集める。演技力は同作品でも健在で、21歳から46歳までを見事に演じきっている。
彼女こと加藤かおりを演じるのは映画・ドラマに活躍を広げている伊藤沙莉。独自の美学を持つ女性を印象深く演じている。
このほか、萩原聖人、大島優子、東出昌大、平岳大など個性派が顔をそろえる。
原作は、ウェブ連載の小説で映画のタイトルにもなっている『ボクたちはみんな大人になれなかった』が2017年に書籍化されると大ベストセラーになった、半自伝的恋愛小説だ。1995年からの日本のカルチャーといったものから、ポケベルや携帯電話からスマートフォンへ移行するなど2020年までに至る時代の流れに沿いながらさまざまな人間模様が描かれている。
監督は、これまで阪本順治、犬童一心、林海象といった日本映画を代表する監督の助監督して従事した森義仁。今作が初監督作品となる。
11月5日よりシネマート新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかロードショー&NETFLXで全世界配信開始。
(佐野富成)