窮地のサン宝石、「ほっぺちゃん」に支援の輪
事業継続目指したクラウドファンディングにファンが出資
経営難に陥った女児向けアクセサリー・雑貨販売のサン宝石(山梨県中央市)に支援の輪が広がっている。オリジナルキャラクター「ほっぺちゃん」などで人気を集めたが、資金繰りが悪化。事業継続を目指してクラウドファンディングで出資を募ったところ、少女時代に同社の指輪やネックレスに目を輝かせたファンが次々と名乗りを上げ、わずか1日で目標額の300万円に到達した。
サン宝石は1965年創業。子供向け雑誌などに広告を掲載し、カタログ販売で事業を拡大した。しかし、ほっぺちゃんブームに乗じて直営店の出店攻勢を仕掛けたことが裏目に出た。ブームが去り顧客離れに歯止めがかからないところに、新型コロナウイルス禍が追い打ちとなり、経営に行き詰まった。今年8月、民事再生法の適用を申請した。
サン宝石の窮地が報じられると、かつてのファンが相次いで「応援したい」「寄付をできないか」と申し出た。こうした声に後押しされ、同社が今月6日にクラウドファンディングを始めると申し込みが殺到。目標達成後も応募は続き、15日現在で800万円を超えた。
同社は集まった資金を、滞っていたカタログ印刷や商品の仕入れに充てる。併せてスポンサー企業探しに奔走。「引き続き商品を楽しんで(当社を利用して)もらえるようにするのが一番の恩返し。何とか事業を継続したい」(通販事業部)と意気込んでいる。
クラウドファンディングは今月末まで続ける。商品の詰め合わせなど返礼品の一部は完売したが、近く特典を追加して一層の支援を呼び掛ける。