全国初、福井県が海中ドローンで越前ガニを調査


資源確保へ実証実験、写真から性別や成長度合いも明らかに

全国初、福井県が海中ドローンで越前ガニを調査

海中の越前ガニを調査するドローン=9月27日午後、福井県敦賀市

 福井県などは、全国で初めて海中ドローンを使って越前ガニの資源量を調査する実証実験を行った。全国的に有名な越前ガニの分布や個体数などを分析することで、効率的な水産資源の確保に役立てるのが狙い。搭載されたカメラで、海底に生息するカニの性別や成長度合いなどが明らかになったという。

 海中ドローンを運用する環境コンサルタント「いであ」(東京都)によると、これまでカニの資源量は、実際に捕まえた個体数から全体の生息数を推定してきた。しかし、網を使った調査ではコンクリート製ブロックが設置された保護礁のカニを捕まえることができず、正確な資源量の把握は難しかった。

 実験は、同社と県、東大、九州工業大などが9月28~30日に実施。同社が所有する海中ドローンが若狭湾の保護礁周辺を3回に分けて約10時間潜航し、4Kビデオカメラなどで海底に生息する越前ガニの成体や稚ガニなどを撮影した。県水産試験場の河野展久部長は「思った以上に高精細な写真が撮れた。雄雌の区別もできている」と評価した。県などは今後、調査結果を分析し、来年3月までに漁業者に報告するとともに、来年度以降の実用化を目指す。