台風19号から2年、遺族らが犠牲者に祈り 


福島・宮城で、「悲しみを乗り越え、前へ」復興へ誓い

台風19号から2年、遺族らが犠牲者に祈り

台風19号から2年となり、追悼式で手を合わせる参列者=12日午前、宮城県丸森

 東日本に記録的豪雨をもたらし甚大な被害を出した2019年の台風19号から12日で2年。浸水や土砂崩れにより、大きな被害を受けた福島県と宮城県丸森町では遺族らが犠牲者に祈りをささげ、復興への誓いを新たにした。

 関連死6人を含め36人が犠牲になった福島県では午前9時から、県庁で職員らが1分間黙とう。災害対策課の平野井徹課長は「県民に『いつ、どこに避難するか』を日ごろから考えてもらう取り組みを進め、減災に努めたい」と語った。

 同10時からは、丸森町が追悼式を開き、遺族ら80人が参列した。同町では関連死1人を含め11人が犠牲となった。

 追悼式では遺族代表の天野民子さん(70)が「悲しみを乗り越え、少しでも前を向いて進んでいくことが残された私たちの使命だ」と涙ながらに語った。天野さんの母大槻竹子さん=当時(92)=ら親族3人は土砂崩れに巻き込まれて死亡し、妹の小野正子さん=同(63)=も行方不明となっている。