地震から一夜、通勤客ぐったり「コロナ前のよう」
首都圏JR各駅で混乱、一部路線で大幅な遅れと運休
首都圏を襲った地震から一夜明けた8日朝も、JRの一部路線では大幅な遅れと運休が発生した。あちこちの駅で通勤客が足止めされ、すし詰め状態の車内も。「新型コロナウイルス以前のようだ」などの声が聞かれた。
さいたま市のJR浦和駅では入場規制が行われ、改札前に長蛇の列ができた。東京・新宿に出勤途中の男性(26)は「昨夜も帰宅難民になりかけ、ちょっと疲れた」と話した。新橋で勤務する30代女性は「早く出てきたが、長いこと待っている。テレワークもできない仕事だし、同僚も出社が遅れるようだ」と疲れた様子だった。
川崎市のJR武蔵小杉駅でも数十メートルの行列ができた。静岡・熱海に向かうという川崎市の男性会社員(46)は「せっかくの休みなのに」と困惑。都内に通勤する女性会社員(72)は「予想していたことで仕方ない」と語った。
JR千葉駅に電車で来た千葉県船橋市の男性会社員(41)は「徐行運転し、いつもより混んでいた」と汗を拭った。県立幕張総合高校1年の女子生徒(15)は「途中で休校の連絡が来た。部活も授業もないし、これからどうしよう」と話した。
多くの路線が乗り入れるJR上野駅。茨城県土浦市の男性会社員(54)は「電車が一駅ごとに止まり、40~50分は遅れた。新型コロナ(の感染拡大)以前みたいな混み方。こんなにひどいとは」とうんざりした様子。一方、千葉県我孫子市の女性会社員(33)は「在宅勤務が進んだのか、そこまで混雑していなかった。きょうはテレワークではなかったので少し早めに出てきた」と語った。
車両が脱輪した日暮里・舎人ライナーは全線で運休し、都内の日暮里駅では「運転再開の見込みは立っておりません」などと書かれた張り紙を見てきびすを返す人も。男性会社員(35)は横浜市からようやくたどり着いたといい、「朝には動くと思っていたのに」とため息。「帰りは運転再開して」と期待し、振り替え輸送のバスに乗り込んだ。