ヤクルトの奥川恭伸、マジック11をともす好投
2位阪神に七回途中1失点、期待に応えた将来のエース
ヤクルトの奥川が、6年ぶりのリーグ制覇を狙うチームに大きな勝利をもたらした。2位阪神との直接対決第1ラウンドで、七回途中1失点の好投。「すごく大事な試合だったので、立ち上がりから全力でいこうと思った」。気迫のこもった投球で優勝マジック11を点灯させた。
150キロ前後の直球は力があり、変化球も切れ味十分。反省したのは七回を投げ切れなかったこと。抜群の制球力で7試合続けて四球を与えていなかったが、2死一、三塁で島田に四球を与えての降板となった。
それでも救援陣が奥川の力投に応える。田口が満塁のピンチで代打糸井を空振り三振に仕留め、八、九回は4連投の清水、マクガフが抑えた。
高津監督は奥川に先発を託した理由を「成長させるため。いろいろなゲームを経験させて、来年につなげていくため。もう一つはここで勝つ投球を期待していた」と説明。その上で将来のエースが見せた投球に「見事ですね」と目を細めた。
起用に見事応えた奥川は「これからも優勝に向かって一生懸命に投げたい」。2桁勝利にあと1勝とした20歳の右腕が頼もしい存在になっている。