妙義龍、苦手の後輩・貴景勝を14戦目で撃破
動き良く10勝、連日の上位戦に「思い切ってやるだけ」
来月には35歳になる妙義龍が、今場所しばしばこう口にする。「よく動いている」。極端に合口の悪かった貴景勝を破って2桁白星に到達。その確信はさらに深まったようだ。
鋭い当たりで大関の出足を止めると、互いに距離を取って見合う展開に。はたきやいなしに下半身は崩れない。相手が強引に出たところで、「一瞬の勝負だった」。土俵際で鮮やかに左からのすくい投げを決めた。
貴景勝は埼玉栄高の10学年下の後輩に当たる。過去13度対戦して一度も勝てず、自身のふがいなさに敗戦後、声を荒らげることもあった。「今までは考え過ぎて勝てなかった。きょうは思い切り踏み込んで当たっていった」。優勝争いも懸かる状況で、集中力を研ぎ澄ましていた。
西前頭10枚目。本来なら上位戦が組まれる地位ではないが、妙義龍らの星が伸びて終盤戦の割が崩されている。14日目も大関正代に挑むことになり、「相撲を取れることに感謝して毎日やっている。思い切ってやるだけ」。明るい口調に充実感をにじませた。