コロナ感染のリバウンドを懸念「対策継続を」


厚労省助言組織が見解、感染減の要因にワクチン接種

コロナ感染のリバウンドを懸念「対策継続を」

記者会見する厚生労働省専門家組織の脇田隆字座長(右)=16日午後、東京都千代田区

 新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は16日、全国で新規感染者数が減少している要因として「ワクチン接種が現役世代を含めて進んできていることなどが考えられる」との見解をまとめた。その上で、今後はリバウンド(感染再拡大)を防ぐため感染対策を継続するよう求めた。

 同組織は、ワクチン接種によって病院や高齢者施設のクラスター(感染者集団)が抑えられ、「高齢者層への流行が見られていない」と分析。今後も接種による感染状況のさらなる改善が期待されるとした一方、秋の連休や大学の授業再開などで接触機会が増えることで、「(感染者数が)再度上昇につながる懸念もある」と指摘した。

 厚労省の調査によると、9月1~13日の子供の感染場所を8月と比較すると、6~15歳では学校と報告された割合が約3~4%増加。一方、16~18歳では自宅での感染の割合が約9%高くなった。同省は「2学期が始まって間もないため、引き続き注視していきたい」としている。

 15日までの1週間に確認された都道府県別の人口10万人当たりの新規感染者数は、沖縄が前週の203・72人から127・94人と大幅に減少。埼玉(51・80人)、千葉(45・79人)、東京(56・92人)、神奈川(50・73人)、愛知(77・15人)、大阪(88・11人)など、その他の地域はいずれも100人を下回った。