東大研究チームが開発、極薄シートで心電図測定


皮膚に張り付け1週間の測定に成功、病気の早期発見へ

東大研究チームが開発、極薄シートで心電図測定

皮膚に張り付けた金箔(きんぱく)電極の極薄シート。(染谷隆夫東大教授ら提供)

東大研究チームが開発、極薄シートで心電図測定

金箔(きんぱく)の下にある薄膜素材(染谷隆夫東大教授ら提供)

 ごく薄く、自然に皮膚に張り付くシートに金箔(きんぱく)を電極としてコーティングし、心電図を1週間測定できたと、東京大大学院工学系研究科の横田知之准教授や染谷隆夫教授らの研究チームが7日発表した。伸縮性や耐久性、通気性があり、蒸れたりかぶれたりしにくいのが特長。論文は米科学アカデミー紀要に掲載される。

 横田准教授によると、今後、シートに無線回路や電源を載せるほか、温度や圧力など測定項目を増やし、体に装着して病気や体調不良を早期発見できる装置への応用を目指すという。

 シートはシリコーンゴムの一種である「ジメチルポリシロキサン」を丈夫なポリウレタンの微細な繊維と合わせて作った。厚さは0・1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下。ゼリーや接着剤を使わなくても、分子間に働く「ファンデルワールス力」で皮膚に張り付き、自在に脱着できる。