筑波大など、新種の大型肉食恐竜化石を発見
ウズベキスタンの地層から、「覇権交代」の手掛かりに
筑波大や北海道大などの国際研究チームは、中央アジア・ウズベキスタンの後期白亜紀(約9000万年前)の地層から見つかった恐竜化石が、大型肉食恐竜のカルカロドントサウルス類の新種であることを突き止めたと発表した。論文は8日、英王立協会誌オープン・サイエンスに掲載された。
筑波大の田中康平助教と北海道大の小林快次教授らの研究チームは、同国タシケント市の博物館が所蔵する恐竜の上顎部分の化石(長さ約24センチ、高さ約13センチ)を調査。しわ模様やこぶのような隆起などの特徴から新種と確認し、「ウルグベグサウルス・ウズベキスタネンシス」と命名した。近縁種との比較から、全長7・5~8メートル、体重は1トン以上と推定された。
カルカロドントサウルス類は当時、生態系の頂点に君臨。その後、9400万~8400万年前のいずれかの時点で、大型化を始めたティラノサウルスの仲間にその座を譲るが、この期間の化石が乏しく、「覇権交代」の様子はよく分かっていない。
空白期間に当たる今回の地層からは、小型のティラノサウルスの仲間の化石も見つかっており、この時点ではカルカロドントサウルスが優位だったと考えられる。
田中助教は「空白期間を縮めることができた。ウズベキスタンは当時の大陸の西端で、東端の日本にも空白期間の終わりごろの地層が残っており、より詳細に肉食恐竜の進化が分かる」と話した。