北海道地震きょう3年「立ち止まらず復興を」
44人が亡くなり2300棟が全半壊、追悼式で犠牲者に祈り
震度7の揺れを観測し、44人が犠牲となった北海道地震の発生から3年となるのを前に、甚大な被害を受けた厚真町で5日、追悼式が行われた。参列した遺族ら約80人が犠牲者に祈りをささげ、復興への誓いを新たにした。
同町では37人の命が失われた。追悼式では黙とうの後、遺族代表として、両親を亡くした中田仁さんが「いまだ山間部に地震の爪痕が残るなど復興は道半ばだが、立ち止まらず、これからの厚真町の復興、発展に努めていきたい」と決意を述べた。宮坂尚市朗町長は「被災者に寄り添い、誰一人取り残さない復旧、復興を目指して、たゆまぬ努力を続けていく」とあいさつした。
新型コロナウイルス感染防止のため、出席者を減らして実施。会場には祭壇と献花台が設けられ、式典の終了後、町民らが献花に訪れた。
式に先立ち、町役場近くの公園では慰霊碑の除幕式が行われた。碑は町内で最も被害の大きかった吉野地区を背にして建てられ、発災時刻の午前3時7分を示す時計の針が刻まれた。脇には犠牲者の氏名を刻んだ石碑が建てられ、遺族らが手を合わせ冥福を祈る姿が見られた。
地震は2018年9月6日午前3時7分に発生。災害関連死3人を含む計44人が亡くなり、住宅の全半壊は2300棟を超えた。火力発電所の緊急停止などで、国内初の大規模停電(ブラックアウト)が発生して約295万戸が停電した。
道によると、被害が集中した厚真、むかわ、安平の3町では、プレハブなど建設型の仮設住宅を計233戸整備。20年12月末までにすべて解消され、災害公営住宅などに移り住んだ。