ボッチャ・ペア、善戦及ばずも価値ある銀メダル


感染対策の制約の中で工夫し練習、「全員で取ったメダル」

ボッチャ・ペア、善戦及ばずも価値ある銀メダル

ボッチャのペア(脳性まひ・運動機能障害BC3)決勝でプレーする高橋和樹(右)。左は河本圭亮=4日、有明体操競技場

 個人とチームがともにメダルを獲得し、期待が高まる中で迎えたボッチャのペア(脳性まひ・運動機能障害BC3)決勝。必死の追い上げを見せたが、タイブレークの末に敗れて惜しくも銀メダル。金メダルは逃したが、河本圭亮(東郷町施設サービス)は「いろいろな人の協力でもらえたメダル。重みを感じる」と強調した。

 3点を追う最終第4エンド。日本の5球目を高橋和樹(フォーバル)が投じた。ジャックボール(目標球)よりも前にある日本の球を奥に押し込み、得点につなげるショット。土壇場で3点が入って同点とし、決着はタイブレークへ。韓国の制球力が一枚上手で敗れたが、最後まで善戦した。

 最も障害が重いクラスで、選手は自分の手で投げられない。投球時はランプと呼ばれる勾配具を使い、距離や方向を推測してアシスタントに伝える。最終的には棒状の「リリーサー」や手先などでつついて投げる。

 意思疎通や連係がカギだが、東京大会に向けた強化には制約がつきまとった。感染すれば重症化のリスクが高い選手が多く、コロナ禍の昨年は対面練習を中止。それでもビデオ通話を活用して戦術を練るなど、1年延期で生まれた期間で各自がレベルアップに励んだ。

 このクラスのペアに日本勢が出場したのは今回が初めて。国際舞台の経験も決して多くはないが、準決勝で強豪ギリシャを破るなど快進撃を続けた。「力を合わせて、全員で声を掛け合い、全員で取ったメダル」と村上光輝監督。確かな成長を感じ取っていた。