駅構内、視覚障害者向けに音声で案内します
リンクスが開発、アプリ「shikAI(視界)」が好評
熱戦が続く東京パラリンピックの会場周辺の駅などで、スマートフォンアプリの音声で視覚障害者を道案内するサービスが導入されている。利用者からは「初めて訪れた駅でも一人で歩ける」と歓迎の声が上がる。
アプリ「shikAI(視界)」はソフトウエアなどを手掛ける「リンクス」(東京都港区)が開発。利用者が点字ブロックに張られたQRコードをスマホのカメラで読み取り、駅構内の目的地を選択すると、音声で「右側3メートル先、エレベーターがあります」「直進5メートル、その先改札です」などと案内してくれる。
利用者の一人で、生まれた時からほぼ視力がないという墨田区の高校2年渡辺千優さん(17)は「初めての場所でも人に頼ることなく歩くことができてうれしい」と笑顔を見せる。
サービスは、国立競技場最寄りの東京メトロ外苑前駅など9駅で導入されている。「もっと多くの駅に導入して」という視覚障害者の要望は強く、東京メトロも「将来、より多くの駅で利用されるサービスに発展させたい」と拡大に前向きだ。
都盲人福祉協会の担当者は「アプリなどの充実に加え、(困っている人に)声を掛けるなどソフト面の支援も必要。両輪で動かないといけない」と話している。