競泳の鈴木孝幸、200m自由形も銀メダル


自分の力を確信、不安をはねのけて5種目でメダル獲得へ

競泳の鈴木孝幸、200m自由形も銀メダル

競泳男子200㍍自由形(運動機能障害S4)で銀メダルを獲得した鈴木孝幸=30日、東京アクアティクスセンター

競泳の鈴木孝幸、200m自由形も銀メダル

競泳男子200㍍自由形(運動機能障害S4)決勝で力泳する鈴木孝幸=30日、東京アクアティクスセンター

 ゴールした鈴木孝幸(ゴールドウイン)は大型ビジョンでタイムを確認しても、大きく表情を変えることはなかった。競泳男子200メートル自由形(運動機能障害S4)で2位に入り、今大会4個目のメダルとなる銀。「ベストタイムではないので、満足ではない。ちょっと悔いが残る部分はあるけど、メダルを取れたことが大きい」。確かな感触を得ながら、淡々と振り返った。

 今大会エントリーした種目の中では最も長い距離。ペース配分が表彰台へのカギを握った。「何も考えずに全力でいけばいいわけでもないし、考えがいがあるというか、面白さはある」と言う。

 その言葉通り、決勝では泳ぎを確認するようにしっかりとラップを刻んでいった。最初のターンをトップで折り返した後、世界記録保持者のイスラエル選手に抜かれ、徐々に差を広げられてしまう。だが、それも想定内。集中を乱さずにペースを保ち、2番手のポジションを守り切った。

 大きかったのはパフォーマンスを発揮できたこと。26日の100メートル自由形で金メダルを獲得した後には、モチベーションが「多少下がるというか、ちょっと緊張感が薄れている感じがあった」と明かす。しかしこの日の泳ぎで不安を払うことができ、「いつも通りに戻っていた」と話した。

 10日間の競技日程で5種目に臨むには体だけでなく、精神面も整えることが必要だ。9月2日に予定される最後の50メートル自由形は2個目の金を狙える種目。「今までより間も空く。しっかり回復した状態でレースに臨みたい」。心と体をさらに充実させて、大会最後のレースを飾る気構えだ。