浅川智恵子さんが日本科学未来館の館長に就任


就任会見で抱負「科学を体験、生活を想像する場に」

浅川智恵子さんが日本科学未来館の館長に就任

自らが開発を進めている、自走式で視覚障害者を案内する「AIスーツケース」を披露する日本科学未来館の浅川智恵子館長=25日午後、東京都江東区

 日本科学未来館(東京・お台場)の館長に就任した浅川智恵子さん(62)が25日、同館で記者会見し、「新しい科学技術を身をもって体験し、それによって実現される新たな生活を想像できるようにしたい」と抱負を述べた。4月に就任したが、新型コロナウイルスの影響で研究拠点だった米国からの帰国が遅れた。

 大阪府生まれ。小学校時代のけがが原因で、中学2年の時に失明。1985年に日本IBMに入社し、日本語デジタル点字システムや音声ウェブブラウザーなど、障害を持った人々の情報アクセスを容易にする技術の研究開発を続けてきた。

 体験型展示を中心とした新しい科学館のスタイルを確立した同館だが、コロナ禍でさまざまな制約を受ける。浅川さんは「オンラインとのハイブリッドでコミュニケーションを推進したい。どうすれば臨場感を出せるのかを探る」と話した。