陸上男子400リレー、 金メダル狙い残酷な結末


自信を持てなかった走力、頼みのバトンパスで痛恨のミス

陸上男子400リレー、 金メダル狙い残酷な結末

陸上男子400㍍リレー決勝、バトンパスを失敗する第1走者の多田修平(右)と第2走者の山県亮太=6日、国立競技場

 6日に行われた東京五輪の陸上男子400メートルリレーで多田修平、山県亮太、桐生祥秀、小池祐貴で臨んだ日本はバトンパスに失敗。その瞬間、メダルの夢がついえた。前回リオデジャネイロ五輪の銀を超える金を狙い勝負に出たが、残酷な結末になった。

 アンカー小池は、トラックの反対側を走る1走多田を見て「速い。切れがある」と感じた。多田が好発進し、期待が膨らんだ直後だった。

 2走山県が加速しながら後ろに差し出す左手に、多田からのバトンが収まらない。やり直せる時間はほぼなく、受け渡しが可能なゾーンを越えた。多田は「本当に申し訳ない」と自らを責めた。

 前日の予選のタイムは38秒16で、決勝に進んだ8カ国で最下位。それでもチームは、各選手が助走のタイミングを早める攻めのバトンパスをすれば「37秒50で金メダル」(土江寛裕コーチ)が可能とみていた。

 日本が独自に磨き上げてきたアンダーハンドパスに絶対的な自信があり、多田から山県へのパスは練習で失敗がなかった。土江コーチは「そこに油断があったかな」と振り返る。多田、山県、小池は個人の100メートルでいずれも予選敗退。土江コーチは「状態が良くないわけではない」としながらも「いつも通りのレースでは金メダルは簡単には取れない」とも感じていた。

 桐生は「今回の五輪で走力は完全に(強豪に)離されている部分はある。バトンでどうにかしようというのがあった」と明かす。攻めのレースに出た決勝は、山県が動きだす位置を予選から約20センチ遠ざけて早めた。走力に確たる自信を持てなかったことが、バトンパスでの気負いにつながった可能性はある。

 リオの躍進を受けた地元五輪の目標は金メダル以外になく、大きな重圧となった面もあるだろう。山県は「金メダルを取れると、みんなが思い描けるところまできた。結果に出したかった」。悔やんでも悔やみ切れない様子だった。