「五輪の意味あった」福島県産の桃の魅力を発信


「世界一おいしい」各国代表チームが絶賛、ネットで話題に

「五輪の意味あった」福島県産の桃の魅力を発信

収穫を待つ福島県産の桃=3日、同県桑折町

 東日本大震災からの復興を理念に掲げた東京五輪で、福島県産の桃を絶賛する各国代表チームの声が世界に発信されている。インターネット交流サイト(SNS)には「福島の桃が食べたくなった」との投稿も。地元では「復興五輪の重要な形。大会の意味があった」と喜びの声が上がる。

 福島県で試合をしたソフトボール女子のオーストラリア代表ロバート・ハーロウ監督は「特筆すべき素晴らしさだ」と県産桃を絶賛。米国代表のケン・エリクセン監督も「みんなが勧めるからどうしてもトライしたかった。とてもおいしく食べ過ぎて太った」と褒めちぎった。

 県は、全国2位の収穫量を誇る特産品の桃を積極的に売り込んだ。日本とドミニカ共和国の野球代表チームには、肉厚で果汁が多い代表品種「あかつき」を30キロ差し入れ、「すぐになくなるほど好評で、追加で30キロ提供した」(担当者)という。

 ツイッターでは、海外メディアの記者らが県産桃を手にする写真も多い。「福島のモモが食べたくなった」「世界一おいしい」。相次ぐ投稿で、「福島の桃デリシャス」のハッシュタグ(検索用の目印)はトレンド入りするほど話題を集めた。

 県内での競技はいずれも無観客だったが、桑折町の桃農家後藤哲男さん(63)は「復興五輪としての意味があった。どんなアピールより風評払拭(ふっしょく)の効果があったと思う」と喜びを語った。