四十住選手、大舞台に満開の「さくら」咲く
専用のスケボーパークで練習、周囲の支えに感謝
五輪新種目のスケートボード女子パークで金メダルを獲得した四十住さくら選手(19)=ベンヌ=は、新型コロナウイルスの影響で一時、練習場所を失った。地元、和歌山県の人たちの支えを受け、専用のスケボーパークで練習を続けてきた四十住選手は、金メダルを決め周囲への感謝を口にした。
拠点としていた神戸市のスケボーパークがコロナ禍で閉鎖された昨年。知人から事情を聞いた酒造会社「吉村秀雄商店」(同県岩出市)の安村勝彦社長(65)は、会社の倉庫を練習場所として無償提供することを決めた。改修後、秋に「さくらパーク」が完成。清掃は従業員が担当し、地域住民には事情を説明して夜間練習の音に理解を得た。
自宅近くの同パークで練習を重ねる四十住選手に、安村さんは「外見では分からないタフさや闘志がある」と感じていた。金メダルを決めた五輪での滑りを、「練習と同じように、笑顔で思い切ったものだった。夏に満開の桜を咲かせてくれた」と喜んだ。
小学生の頃に岩出市内の公園で出会い、一緒に練習するようになったプロスケーター平松凱さん(20)は、練習時の四十住選手について「こけてもびびらず何回もチャレンジする。本当にスケボーが好きなんだなと思っていた」と話す。
五輪で躍動する姿に、「鳥肌が立った。レベルの高い技をやっているのに、さくらがやると簡単に見える」と拍手を送った。
大会前、「さくら満開になるように頑張りたい」と話していた四十住選手。大舞台で大輪の花を咲かせ、「皆に感謝している。早く帰っておいしいご飯を食べたい」と笑顔をはじけさせた。