女子ボクシングを「メジャー種目に」夢へ一歩


幼なじみの総合格闘家、那須川天心選手「誇りに思う」

女子ボクシングを「メジャー種目に」夢へ一歩

ボクシング女子フライ級の準決勝で敗れた並木月海=4日、両国国技館

 ボクシング女子フライ級で銅メダルを獲得した並木月海選手(22)=自衛隊=。153センチの小柄な体から、素早いステップでパンチを打ち込むサウスポーは、ロンドン五輪で採用された競技をメジャーにしたいとの一念で東京大会に挑んだ。

 幼少時から空手を習い、憧れの元ボクシング世界王者、内山高志さんが通った花咲徳栄高(埼玉県)に進んだ。千葉県の自宅から往復5時間かけて通学し、全日本優勝経験のある先輩らにもまれた。

 木庭浩介監督(61)は「当て勘が良く、入学前の体験練習でも大学生にパンチを当てていた」と振り返る。一足先にフェザー級で金メダルを取った入江聖奈選手(20)とも対戦、勝利した。

 高校時代、国内外の公式戦は無敗だったが、社会人1年目の国体で敗北を喫した。敗戦への耐性はなく、ショックで「もうやめようか」と母に相談。ところが「自分で決めなさい」と突き放され、かえって闘志が湧いてきた。

 与えられた練習メニューをこなすだけだったのが、日々の体調管理、ケア、食事にも目が向くようになった。同時に、おぼろげだった五輪の輪郭がはっきり見えてきた。

 幼なじみの総合格闘家、那須川天心選手には、格闘技界を盛り上げる存在と刺激を受けている。那須川選手は試合後、「誇りに思うよ。カッコ良かった」とSNSに投稿した。

 リングを離れれば、お菓子作りが趣味。夢は「女子ボクシングを柔道やレスリング並みに有名にしたい」。準決勝で惜しくも敗れたが、夢を一歩たぐり寄せた。