緊急事態宣言下の東京の繁華街、にぎわう週末
PCR検査センターに列、多くの人が聖火台を写真撮影
1日当たりの新型コロナウイルス感染者が過去最多を記録した東京都内では31日、緊急事態宣言下の繁華街に多くの人が繰り出す週末のにぎやかな風景が広がっていた。
若者が行き交う渋谷のスクランブル交差点近くで、友人と待ち合わせていた大田区の男子高校生(18)は、「自分の周りでコロナの話題は出ていない。特に行動も変わらない」と淡々と話した。
JR新宿駅東口前では、大型街頭ビジョンに映された三毛猫の3D映像を撮影しようと、人だかりができた。広島県から息子(17)と訪れた会社役員の女性(54)は「ワクチンは打っている。猫だけ見てほかの観光地は行かない」と語った。
近くの民間PCR検査センターには順番待ちの列に約20人が並んだ。墨田区の会社員鈴木孝さん(55)は「勤務先では皆マスクをしていたのに、3人感染者が出た。どうしたらいいのか」と急速な感染拡大に不安げな様子。
日本人選手の活躍で東京五輪が盛り上がりを見せる中、聖火台がある「夢の大橋」(江東区)では、多くの人が写真撮影などを楽しんだ。
「JAPAN」の文字が入ったマスク越しに笑顔を見せる人々を横目に、「人の流れは先週末と変わらない」と警備担当者。大会ボランティアが「マスク着用をお願いします。写真撮影の際は距離を取ってください」と連呼していた。
渋谷区の大学生西谷和馬さん(21)は、外出自粛を求める宣言について、「一生に一度見られるか分からない聖火台の方が大事」ときっぱり話していた。