テニス錦織圭は準々決勝敗退、東京の夏終わる
単複出場で疲労、日本のリーダーとして戦う姿勢を示す
前日までダブルスとの2種目をこなし、錦織には疲労の色が濃かった。準々決勝でぶつかったジョコビッチは、そんな状態で勝てるほど甘い相手ではない。2-6、0-6。なすすべがなかった。
試合序盤、ラリーに持ち込んで積極的に強打を放った。だが、角度をつけたカウンターショットで対応され、形勢を逆転される。「攻めてもすぐに守備に回らないといけなかった」。手詰まりになり、反撃の糸口がつかめなかった。
四大大会に価値があるプロテニス選手のキャリアを考えれば、五輪で力を消耗することはむしろマイナスかもしれない。それでも錦織は、自国開催の日本チームでリーダーとして、戦う態度を示してきた。
開幕前には仲間たちと交流し、リラックスするよう助言。1日で2試合をこなすことで負担のかかった単複出場も、自ら望んで決断したことだった。「メダルを取る位置までいきたかった」。全身全霊で挑んだだけに、悔しさは大きい。
前向きな材料もある。1回戦では精度の高いプレーで、世界ランキング7位のルブレフを破った。「なかなかない感覚を取り戻せた。収穫だった」。ランクを69位まで落とした今、東京で復活の足掛かりを得たのは間違いない。