夢追い渡米した堀米選手、五輪の舞台でスターに
「米でプロになり家を買う」夢も実現、基礎磨きつかんだ金
スケートボード男子ストリートで初代五輪王者となった堀米雄斗選手(22)=XFLAG=。「アメリカでプロになりたい」と話していた下町の少年は、五輪の舞台でスターの地位を確かなものにした。
競技が行われた東京都江東区出身の堀米選手がスケボーと出会ったのは6歳。中学生からスケボーをしていた父亮太さん(46)が、「自分が滑りたくて、出掛ける口実に連れて行った」のがきっかけだった。
父の思惑とは別に、堀米選手はスケボーにのめり込んだ。自転車と電車を乗り継ぎ、雨の日以外は毎日練習に通う日々。亮太さんの考えで、「バーチカルランプ」と呼ばれるU字形の斜面を滑り、スケボーの基礎を磨いた。
いつしか「アメリカでプロになり、家を買う」という夢を抱くように。米国のナイジャ・ヒューストン選手らが発表した映像作品を食い入るように見ては、プロの技を研究。「ビデオを見ているか寝ているかというくらいで、心配になるほどだった」と亮太さんは振り返る。
プロへの道は平たんではなかった。米国につてはなく、大会へ出場するにも一苦労。面識のない日本人スケーターにいきなりメッセージを送り、面倒を見てもらったこともあった。現在の日本代表コーチ、早川大輔さん(47)の支えもあり、高校卒業後に渡米。悲願のプロスケーターになり、豪邸を買う夢も実現させた。
「絶対に東京で金メダルを取る」。憧れ続けたナイジャ選手ら海外のトップ選手に勝ち、頂点に立った堀米選手は、プロになった後の新たな夢をまた一つかなえた。