長嶋、王、松井の国民栄誉賞3氏が聖火をつなぐ
大阪なおみが点火、コロナ禍の運営が色濃く表れた開会式に
1964年以来2度目となる東京五輪は23日夜、開幕した。無観客の国立競技場(東京都新宿区)で開会式が行われ、天皇陛下が開会を宣言。テニス女子の大坂なおみ(日清食品)の手によって聖火がともされた。
新型コロナウイルスの影響で1年延期され、準備に紆余(うよ)曲折があったスポーツの祭典はいよいよ火ぶたが切られる。
式典は午後8時に始まり、日本のシンボルの富士山と太陽をステージ上で表現。暗闇の中で黙々とトレーニングをする女性アスリートの姿を通じて、コロナ禍で大会を目指してきた選手の内面を描いた。
64年五輪の重量挙げ金メダリスト、三宅義信さんらが日本国旗を運び、歌手のMISIAさんが君が代を独唱。日本の有名ゲーム音楽に合わせて各国・地域選手団が入場行進した。近代五輪発祥の地ギリシャが先頭を務め、日本は最後の206番目で旗手を務めるバスケットボール男子の八村塁(ウィザーズ)とレスリング女子の須崎優衣(早大)の先導で入場。原則として国・地域名の日本語五十音順で、マスク姿の選手は対人距離を取って行進した。その後、日本選手団の山県亮太主将(セイコー=陸上)と石川佳純副主将(全農=卓球)、コーチ、審判の代表者が宣誓した。競技場内での聖火リレーには、国民栄誉賞を受賞した元プロ野球選手の長嶋茂雄、王貞治、松井秀喜の3氏も登場した。
感染対策のため選手村には原則として競技開始5日前まで入村できないこともあり、入場行進参加者は約6000人に抑制。国際オリンピック委員会(IOC)や最高位スポンサーなどの大会関係者の入場も約900人に抑え、コロナ禍の運営が色濃く表れた。
大会組織委員会は22日、式典のショーディレクターだった元お笑い芸人の小林賢太郎氏について、過去の反ユダヤ的発言を問題視して解任。演出を1人で手掛けた部分はないとして予定通りの実施を決めた。