絵本で学ぶ交通マナー、園児らに読み聞かせ
警視庁志村署員が制作、親子向けに伝わりやすさを重視
警視庁志村署が交通マナーをテーマに制作した絵本が好評だ。署員が幼稚園や保育園などに出向き、園児や保護者らに読み聞かせを実施。シナリオを考えた大瀬戸健二交通課長は「伝わりやすさを重視した。できるだけ多くの子供たちに読んでほしい」と話している。
同署によると、管内で発生した交通事故の約半数が自転車に関わるもので、自転車の後ろに子供を乗せた母親の交通マナーが悪いという声が多数寄せられている。子供が道路横断中に事故に遭うケースも多いため、保護者向け、子供向けの二つのストーリーから成る絵本の制作を始めた。
保護者向けでは、自転車の後ろに子供を乗せて走る際の、信号無視や傘を差しながらの走行など重大事故につながりかねない事例を紹介。「ママ、こわいよ」といった子供のせりふを入れることで、危険を認識してもらえるようにした。
子供向けは、一人でお使いに行く途中、横断歩道を青信号で渡ろうとして衝突事故に遭いそうになる場面を掲載し、青信号でも左右の確認をする大切さを描いた。
同署は今月、東京都板橋区内の保育園で読み聞かせを行った後、模擬信号機や横断歩道マットを使い、園児らに左右を確認させながら実際に渡ってもらった。終了後、園児たちは「楽しかった」「ドキドキした」とうれしそうな様子だった。
同署によると、これまで読み聞かせに参加した保護者からは「歩行者と自転車それぞれの目線で描かれていて新鮮」などの感想が聞かれたという。
大瀬戸課長は「保護者が子供の行動範囲を把握し、危険な場所があれば通学路を変えさせることが大切」と指摘。「歩道橋があれば、横断歩道ではなく歩道橋を渡るといった指導をしてほしい」と語った。
絵本は、警視庁のホームページからダウンロードして読むことができる。