なでしこが豪州を下す、自信を深める無失点
岩渕真奈が決勝点、唯一の国際親善試合勝利で本番に弾み
本番の試金石となる一戦。なでしこが練習の成果を示した。安定したパス回しで、オーストラリアに持ち前の高さを使わせない。中盤では相手のボール保持者に2、3人がかりで圧力をかけ、岩渕がPKで挙げた1点を守り切った。
新型コロナウイルスの影響で格上との対戦は約1年半ぶり。スピードのある海外勢に見立てた男子チームとの実戦で培った守備力を発揮できるかがテーマだった。寄せの甘さから簡単にクロスを入れられる場面は散見されたが、自陣ゴール前での集中力は高かった。「最後にやらせないところは評価できる」と高倉監督。
6月の五輪メンバー発表後、最初で最後の国際親善試合。細かな連係がなでしこの生命線。代表入りへ個々がしのぎを削る段階が終わり、チームにまとまりが出てきた。主将の熊谷は「きょうできたことを自信にあと1週間を過ごす」。充実の表情で初戦を見据えた。
5年前のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選の初戦で豪州に敗れ、波に乗れないまま出場権を逃した。因縁の相手を破り、五輪へ弾みがつきそうな白星。「コンディションはまだまだ上げていく」と岩渕。自信を胸に、大舞台に挑む。