「家も道路もなくなった」、一時帰宅が始まる


1世帯2人までで2時間滞在、変わり果てた姿にショック

「家も道路もなくなった」、一時帰宅が始まる

土石流災害の避難者の一時帰宅が始まり、自宅に向かう住民ら=12日午前、静岡県熱海市(時事)

「家も道路もなくなった」、一時帰宅が始まる

土石流災害の避難者の一時帰宅が始まり、歩いて自宅に向かう住民ら=12日午後、静岡県熱海市(時事)

 静岡県熱海市の大規模土石流で、甚大な被害を受けた伊豆山地区から避難した人の一時帰宅が12日、始まった。立ち入り制限が続く中、9日ぶりにわが家の様子を見に戻った被災者が取材に応じ、住み慣れた地域の変わり果てた姿を、ショックを隠せない様子で振り返った。

 土石流が駆け下った逢初川沿いの2階建てアパート1階に住んでいる関沢浩さん(54)は「周りの家も道路もなくなり、泥水が川のように流れていた」と話した。アパートの玄関が土砂でふさがれ、隣家の壁はえぐり取られていたという。滞在が許されたのは2時間ほどで、枕や薬、貴重品を持ち出した。警察官から「危ないのでなるべく早く出て」と声を掛けられたという。

 東海道新幹線の線路近くに住む後藤光雄さん(75)は、自家用車が倒壊した別の家の屋根に押しつぶされていた。周辺の家屋が跡形もなく流されており、住人が亡くなったという。幸い自宅に大きな被害はなく、同居する母親(99)も無事だったが、「決して喜ぶことはできない」と語った。

 市によると、土石流で131棟が被害を受け、約530人がホテルで避難生活を送っている。一時帰宅は1世帯につき2人までを条件とし、12日は計89人が家屋の状況などを確認した。