野口聡一さん、4回目船外活動「心に残る体験」
帰国後初会見「見たことのない景色を見ることができた」
国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在を終えた野口聡一さん(56)が9日、東京都内で帰国後初の記者会見に臨み、日本人最多となる4回目の船外活動について「ISSの端の端まで行って、見たことのない景色を見ることができた。心に残る体験だった」と語った。
昨年11月に米民間宇宙船「クルードラゴン」運用初号機に搭乗し、ISSに到着した野口さん。今年3月には、約15年ぶりとなる4回目の船外活動を約7時間にわたり実施。ISSに新型太陽電池パネルを取り付けるための作業を行った。
野口さんは「過去3回は、ISSの中心部での作業で、周囲に人工物がいっぱいあり、(一緒に船外活動を行う)仲間も近くにいた。今回はISSの端まで行き、正真正銘の真っ暗な世界の中で、自分と外の世界との接点が(手すりをつかむ)指先だけというこれまでにない体験をしたと思う」と振り返った。
2005年の初飛行では米スペースシャトル、09年にはロシア宇宙船・ソユーズに搭乗した野口さん。今後への期待を問われ、「次はどういう宇宙船に乗れるのか。月に行く宇宙船かもしれないし、観光客をいっぱい乗せて飛ぶかもしれない。できれば違う宇宙船で飛び、地球の重力を振り切って外に出て行ければいいと思う」と語った。