西日本豪雨から3年、犠牲者に黙祷をささげる
遺族ら「備えの大切さを語り継ぐ」、生きていく決意新たに
岡山、広島両県などで甚大な被害が出た西日本豪雨は最初の大雨特別警報から6日で3年。岡山県倉敷市真備町地区などでは同日午前、追悼式典が行われ、参列者が犠牲者を悼み、黙とうをささげた。
75人が死亡した倉敷市では、遺族と住民代表ら45人が参列。遺族を代表し、守屋孝恵さん=当時(84)=の長女松村好美さん(58)=岡山市=が「なぜあの時避難するように伝えなかったのか、今でも後悔し続けている。このつらい経験を教訓に、災害から命を守るための備えの大切さを語り継ぎたい」と追悼の言葉を読み上げた。
19人が亡くなった広島市安芸区の追悼式には、遺族ら約60人が出席。広島県警呉署の警察官だった晋川尚人さん=当時(28)=を亡くした父芳宏さん(57)=同区=は「1日たりとも息子尚人のことを思い出さない日はない。本当に寂しい、その一言」と悔やんだ上で、「この傷痕は一生消えることはないが、少しでも傷痕が残らぬよう、これからも遺族手を取り合い生きていこうと思う」と決意を新たにした。いずれの式典も昨年同様、新型コロナウイルス感染防止のため、参列者が大幅に制限された。