藤井二冠が棋聖初防衛、3連勝で最年少記録更新


渡辺明三冠を破る、タイトル獲得通算3期で初の十代九段に

藤井二冠が棋聖初防衛、3連勝で最年少記録更新

第92期棋聖戦5番勝負を3連勝で制し、初のタイトル防衛を決めた藤井聡太棋聖=3日午後、静岡県沼津市の沼津御用邸(代表撮影・時事)

藤井二冠が棋聖初防衛、3連勝で最年少記録更新

タイトル初防衛年少棋士ベスト5(時事)

 将棋の藤井聡太棋聖(18)=王位と合わせ二冠=に渡辺明三冠(37)=名人、棋王、王将=が挑戦する第92期棋聖戦5番勝負の第3局が3日、静岡県沼津市内で指され、後手の藤井二冠が100手で勝ち、3連勝で初のタイトル防衛を決めた。

 日本将棋連盟によると、18歳11カ月でのタイトル防衛は、屋敷伸之九段(49)が1991年に棋聖を防衛した19歳0カ月の最年少記録を30年ぶりに更新。さらに、タイトル獲得通算3期となり、規定で九段に昇段した。2005年の渡辺三冠の21歳7カ月を大幅に塗り替え、初の十代の九段となった。

 終盤の激しい攻め合いを藤井二冠がぎりぎりで制した。藤井二冠は終局後、「タイトルを防衛して一人前という言葉も将棋界にはあるので、結果は良かった。九段は最高位なので光栄なこと」と話した。3連敗した渡辺三冠は「終盤(の指し手)が分からなかった」と敗戦を振り返った。

 藤井二冠は16年、14歳でプロ入り。デビューから29連勝の記録を打ち立てブームを巻き起こした。20年7月に最年少記録の17歳11カ月で棋聖、同8月には王位のタイトルを獲得。3月からは大手菓子メーカーなどのテレビCMにも登場するなど将棋界を超えた注目を集めた。

 藤井二冠は6月29日から始まった王位戦7番勝負で豊島将之二冠(31)=竜王、叡王=の挑戦を受け、第1局は敗れた。豊島二冠とは、今月25日に開幕する叡王戦5番勝負では、立場を入れ替えて挑戦者の立場で戦う。両者ともに自己最多となる三冠を視野に、互いのタイトルを奪い合う戦いが続く。

 藤井二冠は、豊島二冠が保持する竜王への挑戦にも、トーナメントであと3勝まで迫っている。