28年秋めどに、民放AMラジオ44局がFM化
AM停波を目指す、設備更新費用や土地の問題で継続困難
TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送の在京民放AMラジオ3局は15日、2028年秋にFM局に転換し、AMを停波することを目指すと発表した。在京以外の全国のAM44局のうち、北海道と秋田県の計3局を除く41局も同時期をめどにFM局への転換か、FMを主体とする併用体制に移行する方針。
同日、オンラインで記者会見した入江清彦TBSラジオ会長は「28年秋でのAM停波実現を目指し、3局協力してさまざまな課題解決に努める」と述べた。
在京3局を含む全国47局は、建物や地形による電波障害や災害対策などのため、AM放送と並行して、高い周波数を使ったFM補完放送を行っている。
しかし、現在のAM放送は老朽化した設備を更新する費用や土地の確保といった問題があり、継続が難しい。また、FM設備の更新はAMに比べて安価だが、AMとの二重コストは各局にとって大きな負担となっている。
そこで日本民間放送連盟は19年、総務省の「放送事業の基盤強化に関する検討分科会」に、FM放送への転換などを可能とする制度の整備を要望。これを受けて、同分科会が現行制度の見直しを提言した。
同省は20年10月にFM転換などに関する考え方を公表。23年以降にAMを長期間停止する実証実験を行うとしている。