「安全誓い努力続ける」池田小児童殺傷で追悼式


事件から20年、引き続き安全の努力、語り伝え続けたい

「安全誓い努力続ける」池田小児童殺傷で追悼式

8人が死亡した大阪教育大付属池田小事件から20年となり、追悼式で花を供える児童=8日午前、大阪府池田市(時事)

 児童8人が犠牲になり、15人が重軽傷を負った大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の殺傷事件から20年となった8日、同小で追悼式「祈りと誓いの集い」が行われた。発生時刻の午前10時12分、8人の名前が刻まれた「祈りと誓いの塔」の鐘が鳴らされ、遺族や在校生らが黙とうをささげた。

 追悼式では、事件発生時に教員として在籍し、昨年着任した真田巧校長(53)が「当時は根拠のない思い込みにより、不審者侵入に対する想定ができていなかった」と振り返り、「20年の年月がたったが、学校安全の取り組みを進める次のステップに向かう通過点にすぎない」と強調。「引き続き、安全で安心して学べる場所であるよう努力を続ける」と力を込めた。

 児童代表の3人も、再発防止に向け「この事件のことをいつまでも語り伝え続けたい」と誓った。

 事件で小学2年だった塚本花菜さん=当時(7)=を亡くした母有紀さん(54)=兵庫県宝塚市=は、終了後に取材に応じ、「あの日もきょうと同じ暑い日で、当時の騒然とした光景が目に浮かび足が震えた」と振り返り、「20年は区切りではない。今後も安全な学校をつくる取り組みを続け、子供たちを守ってほしい」と願った。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、追悼式は昨年に続いて規模が縮小され、参加人数も限定された。

 事件は2001年6月8日発生。当時37歳だった宅間守元死刑囚=04年刑執行=が包丁を持って校内に侵入、1年生の男児1人と2年生の女児7人を殺害するなどした。同小は事件後、校舎正門に警備員を常駐させるなど安全対策を強化した。