「記憶を伝え継ぐ」、震災伝承館がきょう開館


石巻市南浜町に「みやぎ東日本大震災津波伝承館」完成

「記憶を伝え継ぐ」、震災伝承館がきょう開館

6日に開館する「みやぎ東日本大震災津波伝承館」=5日午前、宮城県石巻市(時事)

「記憶を伝え継ぐ」、震災伝承館がきょう開館

6日に開館する「みやぎ東日本大震災津波伝承館」で展示物を見学する来館者=5日午前、宮城県石巻市(時事)

「記憶を伝え継ぐ」、震災伝承館がきょう開館

6日に開館する「みやぎ東日本大震災津波伝承館」で公開された津波の恐ろしさを伝える展示物=5日午前、宮城県石巻市(時事)

 宮城県は5日、東日本大震災の記憶を後世に伝えようと、石巻市南浜町に完成した「みやぎ東日本大震災津波伝承館」を報道陣や地元関係者らに公開した。6日午後3時に開館する。
 同館は津波で大きな被害を受けた場所を整備し3月28日に開園した石巻南浜津波復興祈念公園の中核施設。建設費と展示費計約14億円は国と県が支出した。公園との同時オープンを目指していたが、新型コロナウイルスの感染拡大で約2カ月遅れとなった。

 県の担当者は「かけがえのない命を守るために、未来へと記憶を届ける場として、県の震災伝承の中心になる施設」と説明する。

 施設は防災や復興、震災の伝承をテーマに九つのエリアで構成される。映像や展示で津波の恐ろしさを伝え、県内各地の「語り部」団体の活動の様子も紹介。「一人ひとりの記憶」の展示では、震災当時から現在までの被災者の証言映像を通して、震災を考えるきっかけを提供する。

 映像に出演した多賀城市のフリーカメラマン宮城武雄さん(79)は「(伝承館を)見て良かったというだけでなく、命を守るための防災の参考にしてほしい」と語った。

 開館時間は午前9時~午後5時で入館無料。月曜と祝日の翌日、年末年始は休館。