「不安はない」、自衛隊による大規模接種が開始
「地元より早い」、東京と大阪で早朝から高齢者が集まる
自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が24日、東京と大阪で始まった。「基礎疾患があり、早めに打ちたかった」。会場には早朝からワクチンを待ちわびた高齢者が集まり、午前8時すぎから次々と接種を受けた。
東京・大手町の合同庁舎に設けられた会場に同6時半ごろ到着した江戸川区のアルバイト男性(76)。「すぐ打ってもらえるように」と半袖姿で訪れ、「地元自治体の予約枠はいっぱいだった」と同会場を選んだ理由を語った。
受付で接種券や身分証を示した高齢者は、1階の待機所で4グループに振り分けられた後、専用エレベーターで各フロアに移動。自衛隊の医官による問診が済むと、看護官らにモデルナ製のワクチンを接種された。
杉並区の会社員大林彰さん(68)は自治体の予約をキャンセルしたといい、「ここの方が1カ月早く受けられる。基礎疾患があるので早めに打ちたかった」と話した。日本語教師森下昌治さんは「インドネシアに仕事で行くので早く打ちたかった」と笑顔を見せた。会場内にいたのは約30分間で「混乱もなくスムーズだった」という。
2回目の接種に不安を訴える声も。足立区の無職厚谷陽一郎さん(76)は「会場で配られたチラシに2度目は4週間以内に接種するように書いてあったが、4週間を過ぎた日の予約しか入らなかった。効果が薄れないか心配だ」と語った。
大阪府立国際会議場(大阪市北区)では、28の接種ブースのうち、初日は18ブースを稼働させた。この日は約2500人の接種を予定し、医官や看護官のほか、民間の看護師らも加わり、計約260人が作業に当たった。
大阪市の無職出口隆さん(69)は「人が密になる場面もなく、スムーズに接種できた。感染予防に気を張る生活が少し楽になればいい」とほっとした様子。同市の主婦岩前房子さん(73)は、40代の娘にインターネットで予約してもらったという。使われるモデルナ製ワクチンは承認されたばかりだが、「別に気にならない」と話した。