高校生チェリスト、音楽とスポーツで元気を


北村陽さん、聖火ランナーとして兵庫県の篠山城跡を走る

高校生チェリスト、音楽とスポーツで元気を

チェリストの北村陽さん=2020年2月23日、神戸市中央区(時事)

 高校生チェリストとして世界的に注目される兵庫県西宮市出身の北村陽さん(17)東京都調布市が24日、聖火ランナーとして同県丹波篠山市の篠山城跡で走る。緊急事態宣言発令中のため神戸市で予定されていた公道での実施が中止され、会場内で約20メートルを走り、聖火をつなぐ。「音楽もスポーツと同じで、人を元気づけられる。多くの人たちの思いの詰まった希望の火をつなぎたい」と一歩一歩を大切に走る。

 ディズニー映画「ファンタジア2000」でクラシック音楽に魅了され、4歳からチェロを始めた。幼い頃から各地で演奏活動を行い、2017年には国際コンクールで優勝した経歴を持つ。

 心に残っているのは、小学生の時に参加した東日本大震災の被災地での演奏会。「初めて涙を流すことができた。ありがとう」と観客から声を掛けられたことを、「音楽で元気を与えることができたし、自分自身もパワーをもらった」と振り返る。ランナーの募集を知り、「被災地を思いながら、今の神戸を走りたい」と応募を決めた。

 「本番の一瞬のために練習し、最高の状態に持っていくのは、スポーツも音楽も同じ」。音楽で世界中の人を幸せにするのが陽さんの目標だ。