日本地図学会、国内2例目の「伊能小図」を発見


長年所蔵していた篤志家から寄贈、原図から直接写したか

日本地図学会、国内2例目の「伊能小図」を発見

江戸時代の測量家伊能忠敬らが作成した「伊能小図」副本の一部(ゼンリンミュージアム提供・時事)

 日本地図学会はこのほど、江戸時代の測量家伊能忠敬らが作成した日本地図「伊能小図」の副本(写真=ゼンリンミュージアム提供)が見つかったと発表した。小図は3枚組で、すべてそろった副本が確認されたのは国内2例目。地図情報会社ゼンリンが運営する「ゼンリンミュージアム」(北九州市)に昨年7月、長年所蔵していた篤志家から寄贈されたという。

 国内初の副本は国の重要文化財に指定され、東京国立博物館(東京都台東区)に所蔵されている。今回確認された副本は色彩や字体が重文と酷似。模写の際に使う針穴も同様に確認され、同時期に作成された可能性が高い。

 伊能忠敬研究会の鈴木純子特別顧問は「針穴の存在は原図から直接写した可能性が高いことを示している。副本の数は非常に少なく、大変貴重だ」と話している。発見された副本の複製は6~8月、ゼンリンミュージアムで展示される。