被爆者らが平和への願いを込めて「トーチキス」


広島市の平和記念公園、平和記念資料館と慰霊碑の間で

被爆者らが平和への願いを込めて「トーチキス」

公道でのリレーが中止となり、平和記念公園で行われたセレモニーで「トーチキス」をする聖火ランナー=17日午後、広島市中区(時事)

 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が発令される中、公道での聖火リレーが中止となった広島県では17日、広島市の平和記念公園で聖火ランナーによる点火セレモニーが行われた。被爆者のランナーも参加し、原爆ドームを前に、平和への願いを込めトーチをつないだ。

 一般客を入れずに行われたセレモニーでランナーらは、平和記念資料館と慰霊碑の間で、トーチを重ね合わせる「トーチキス」により次々と聖火を受け渡した。

 原爆で2歳上の姉を亡くし、自身も爆心地から1・8キロの地点で被爆した梶矢文昭さん(82)広島市安佐南区も参加した。「死没者に対して慰霊するとともに、これからも平和が続くようにと祈りを込めてトーチを掲げたい」と意気込み、家の周辺を日々約2キロ歩くなど練習を続けてきた。