視覚障害の走り幅跳び、場内放送で数回中断


助走の頼りとなる掛け声が聞こえず「集中しにくかった」

視覚障害の走り幅跳び、場内放送で数回中断

女子走り幅跳び(視覚障害T11)決勝で跳躍の前に耳をふさぐ高田千明=11日、東京・国立競技場(時事)

 視覚障害の走り幅跳びでトラブルがあった。女子の高田は全盲でアイマスクをしており、踏み切り地点の近くに立つ大森盛一コーチの掛け声と手拍子が助走の頼りとなる。ところがトラック競技向けの場内放送が鳴りやまないため声が聞こえず、試技をたびたび中断。「すごく時間がかかり集中しにくかった」と戸惑った表情で話した。

 過密な競技日程でやむを得なかったことに理解を示しながらも、「斜めに跳んで砂場から出ればけがもあり得る競技」と改善を求めた。

 コロナ対策以外での苦言。大会組織委員会の森泰夫運営局次長は「迷惑を掛けて申し訳ない。細かく調べて改善ポイントを探りたい」と釈明した。