「コロナ禍の中の朗報」、登録勧告に沸く地元


「自然を守りながら楽しめるツアーを」「誇りになるが複雑」

「コロナ禍の中の朗報」、登録勧告に沸く地元

世界自然遺産の登録が勧告され、職員と喜ぶ鹿児島県奄美市の朝山毅市長(左)=10日午後、同市役所(時事)

 「新型コロナウイルス禍の中で夢のある朗報をいただいた」。10日午後6時すぎ、世界自然遺産「登録勧告」の一報を受けた鹿児島県奄美市の朝山毅市長は感無量の表情を浮かべ、職員は「やっとここまで来た」と喜びをかみしめた。

 奄美大島で40年以上自然保護活動をする写真家常田守さんは「まずほっとした」と話す一方、「自然を守るのも壊すのも人。(登録が)それに気付かせるきっかけになれば」。奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の喜島浩介会長は「希少な動植物を後世に残しつつ、どう生かしていくかが観光の仕事だ」と先を見据えた。

 沖縄島北部でカヌー業者の取りまとめや民泊の仲介などをする東村観光推進協議会の渡久山真一事務局長は「今後も人数を制限するなどして、自然を守りながら楽しめるツアーを企画したい」と展望を語る。

 西表島のある沖縄県竹富町では、2018年の「登録延期」勧告以降、町の免許を持ったガイドだけが営業できるよう条例を制定したり、観光客数を抑えるため入島制限を検討したりしてきた。通事太一郎世界遺産推進室長は「前回からの取り組みが相応の評価を得られた。方向性は間違っていなかった」と胸をなで下ろす。

 一方、西表島エコツーリズム協会の徳岡春美事務局長は「誇りになるが、複雑。観光客が増えて問題にならないよう、受け入れルールを急いで整備しなければ」と気を引き締めた。