なぜ日本はノーベル賞を多く獲得できるのか

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 今年のノーベル物理学賞は、青色LEDの開発と実用化に成功した研究者である赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏に決定した。これにより日本のノーベル賞の受賞者は米国籍の南部陽一郎と中村修二の両氏を含め22人となった。韓国と中国は1、2人しかいない。

 中国の13億の人口と比べ、日本のノーベル賞受賞が圧倒的に多いのは不思議だ。

 韓国の権威ある保守新聞、朝鮮日報は「日本科学界の底力」と評価した。中国の新華社通信は「なぜ日本は多くのノーベル賞を獲得できるのか」と題した記事を掲載した。その要旨は「日本は基礎研究を重視する。江戸時代末期、男性の識字率は70%を超えロンドンやパリを上回った。人材育成を重視する日本で人材が生まれるのは教育側の『学問至上』の姿勢が深く関係している」と分析した。

 韓国と中国の評価は客観的かつ正当な評価だ。筆者は日本人の優秀な遺伝子・DNAが毎年多くのノーベル賞を獲得する原点だと考えている。

 メンデルの法則によれば、混血・ハーフには両親の優秀な遺伝子が引き継がれる。その事実には科学的かつ歴史的な根拠がある。日本人の祖先は南方系と北方より半島からの渡来系が半分以上を占めているといわれる。日本人はそういう背景を持っているから優秀な頭の持主が多いのではないか。一方で、心理学的に血縁である親戚・兄弟関係は「近親憎悪心理」が根底にある。日韓関係の原点もそこに遠因があると考えられる。

 今上天皇は、2002年の日韓W杯共同開催の時、「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると、続日本紀に記されていることに、韓国とのゆかりを感じています」と語られた。また、保守論客の櫻井よしこ氏は「世界で一番遺伝子が近い日本人と韓国人は血族関係であり韓国は祖先が日本に渡り素晴らしい国を築いた事に誇りを持って欲しい」と指摘している。

 日韓の間では国際結婚カップルの家庭が多い。これからその家庭で生まれた2世グループが優秀な人材として活躍するはずだ。彼らが両国の懸け橋として未来志向の両国友好に大きな役割を果たす時代が到来することを期待したい。

(拓殖大学客員研究員・元韓国国防省北韓分析官)