バスケ不祥事、代表の自覚欠如にあきれる
ジャカルタ・アジア大会のバスケットボール男子代表4選手が公式ウエアを着て市内の歓楽街を訪れ、買春行為をしていた。
4人が歓楽街で買春行為
日本オリンピック委員会(JOC)は、4人が日本選手団の行動規範に違反したとして、選手団員の認定を取り消して日本へ帰国させた。
行動規範には「アジア競技大会への派遣は国費で賄われる。(中略)競技を離れた場でも社会の模範となる行動を心がける」とある。模範どころか、これでは日本の恥さらしではないか。しかも公式ウエアを着ていたとあっては、日本代表としての自覚の欠如にあきれるばかりである。
4人ともBリーグのチームに所属している。夢を与えるべき立場であるプロ選手のイメージも大きく悪化させた。日本バスケットボール協会の三屋裕子会長は「思慮に欠ける行動に言い訳の余地はない。私たちの管理監督責任も痛感している」と述べた。言語道断の行為であり、4人の責任は極めて重い。厳しい処分は避けられないはずだ。
それにしても、2020年東京五輪・パラリンピックを控える中、なぜスポーツ界で不祥事が続発するのか。今年に入ってからも、1月にはカヌーの男子選手がライバルの飲料に禁止薬物を混ぜたことが発覚。5月にはアメフットで日本大の選手が極めて悪質なタックルで関西学院大の選手を負傷させ、指示した監督とコーチが7月に懲戒解雇された。今月には、助成金流用などを告発された日本ボクシング連盟の会長が辞任した。
これらのスポーツの競技団体は、いずれもJOCに加盟・準加盟している。五輪開催国として、もはや放置できない状況だと言える。スポーツ庁の鈴木大地長官は「(競技団体に対して国は)一定のところまでしか指導や助言ができない。在り方を考えていきたい」と監督強化策を検討する考えを示した。スポーツ界の自浄作用が望めない以上、国が踏み込んだ対応をするのはやむを得ないだろう。
今回の4人の行動は、20年東京五輪出場を目指すバスケの日本男子にとって痛手となる可能性がある。日本は現時点で国際バスケットボール連盟(FIBA)から開催国枠での出場を保証されておらず、国際大会は全てアピールの場となるからだ。
アジア大会で、日本男子は4人が帰国させられたため8人での戦いを余儀なくされる。
一方、アジア大会では日本選手が大活躍している。競泳女子では、池江璃花子選手(ルネサンス)が100㍍自由形と50㍍バタフライ、400㍍リレー、100㍍バタフライの4種目で金メダルを獲得。このほか、鈴木聡美選手(ミキハウス)が100㍍平泳ぎ、渡部香生子選手(早大)が200㍍平泳ぎで金メダルに輝いた。
だが、こうした頑張りも一つの不祥事で水を差される。自分たちの行動がどれほど軽率であったか、4人は猛省すべきだ。
モラル教育の改善を
日本選手団の山下泰裕団長は大会前に、規律順守の徹底を求めたが、それでも今回の不祥事を防げなかった。モラル教育の一層の改善が求められる。