新成人に贈る、未来のため学び発言し行動を


 きょうは成人の日。今年、新成人となるのは男性63万人、女性59万人の合わせて122万人である。平成から令和に御代替わりして初の成人式を迎えた新成人には、新しい時代の担い手として強い自覚を持つことを期待したい。

 20世紀の最後に誕生

 新成人が誕生したのは1999年から2000年にかけてであり、まさに20世紀の最後、時代の転換期であった。冷戦終結から10年近く過ぎても、民族・宗教紛争が顕在化し激化の傾向を見せていた。まだ物心もつかない時期ではあるが、テレビなどから伝わるニュースで、そんな不安な時代の空気は感じ取っていたのではないか。

 一方で情報化、グローバル化の進展で、異なる国や民族との交流は豊かになり、世界への理解は格段に進んだ。それぞれが多様な文化や伝統を持つ一方、地球という運命共同体に属する地球人だとの感覚は遥(はる)かに強まっているはずだ。

 テロや戦争が頻発する背景には、民族や宗教、国家体制の違いなど難しい現実がある。多くの大人たちは、ややもすると悲観的になりがちだ。これに対し、同じ人間、地球人なのだから解決の道はあり、解決しないといけないと考え、行動できるのが若い世代だろう。新成人に何よりも期待するところである。

 地球温暖化問題については、パリ協定で産業革命前からの平均気温上昇を1・5度未満に抑えることが目標とされている。これを超えると気温上昇に拍車が掛かり、より深刻な事態となると予想されている。そしてこの成否は、これからの10年に懸かっていると言われる。

 にもかかわらず米国のパリ協定離脱など、温暖化への取り組みが進んでいないことに危機感を抱いた世界の若者たちが行動を起こした。この問題が自分たちの世代に直接降り掛かってくると考えたからである。

 こうした行動は、1960年代の世界的な「若者たちの反乱」などと違い、左翼イデオロギーの影響は少ないと思われる。しかし、今後は分からない。

 温暖化問題で行われた日本のデモでは「反原発」のプラカードを掲げる参加者もいた。原子力発電は石炭火力などと違い、温室効果ガスの排出はゼロで、温暖化対策の重要な選択肢であることを知らないのだろうか。

 若者たちの純粋な思いと行動を政治的に利用しようとする勢力があることを知っておいてもらいたい。また、大人たちの動きの鈍さに苛(いら)立ちを覚えたとしても、なぜそうなのかと考え学ぶ姿勢も重要だ。

 民間調査会社マクロミルが新成人500人に行ったアンケートによると「日本の未来は明るい」と答えた人は31%にとどまった。明るいと考えない理由としては「少子高齢化」「年金問題」「政治家の不祥事」「外交問題」「オリンピック後の景気後退」「災害」などが挙げられた。

 果敢な挑戦に期待したい

 一つ一つ納得のいく理由であり、現状を直視していることが分かる。だからこそ問題を解決していくために鍵を握るのは若い人たちだということも確かである。新成人の果敢な挑戦に期待したい。