夏バテならぬ、秋バテにも効くシークヮーサー


沖縄発のコラム:美ら風(ちゅらかじ)

 現在、最盛期を迎えているシークヮーサーがマイブームの一つだ。残暑が続く沖縄では、夏バテならぬ、秋バテにも有効で、そのエキスを飲むことが日課になっている。

 主な機能性成分として、ノビレチンとタンゲレチンが含まれている。ノビレチンには、血糖値と血圧を抑制する機能がある。タンゲレチンは抗酸化作用、抗炎症作用、抗がん作用、抗腫瘍形成作用、コレステロール抑制作用などが期待できるという。

 シークヮーサーは沖縄本島北部のやんばる地域で主に原生する柑橘(かんきつ)類の一つ。ミカン科で小果の寛皮柑橘。和名は「ヒラミレモン」。シークヮーサーは沖縄方言で「シー(酸っぱい)」と「クヮーサー(食べさせる)」を合わせた言葉だ。

 最近は県内のさまざまな飲料・食品として開発が進み、全国メディアでも取り上げられるなどし注目されている。

 泡盛マイスター協会と石川酒造場、沖縄ファミリーマートはこのほど、シークヮーサーが入った泡盛カクテルを発売すると発表した。当面は県内限定だが、売り上げが良ければ全国で取り扱う予定だという。

 シークヮーサーワインも開発されており、糸満市の観光農園「うちなーファーム」による同ワインはアジア最大規模のワイン審査会で銀賞を受賞した。

 JAおきなわは今年、東京でもシークヮーサーをPRするイベントを開催。沖縄の観光人気も相まって、このところ県外での認知度も人気も高まっているという。

 JAおきなわ県、関係企業などでつくる県シークヮーサー消費推進協議会の普天間朝重会長は、シークヮーサー普及イベントで「長く厳しい時代があった」と振り返った上で、生産者と加工業者、販売業者が一体となって結果を出すことができたと喜んだ。

(T)